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2025/1/16

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赤ちゃんの語彙力が上がるコツ:集中力が高い赤ちゃんは語彙力も豊富⁉

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2025/1/14

【保育士直伝】子どもの集中力を上げる三つの方法(Youtube専門家対談企画子育ての心理学の第三十四回目)

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営業の心理学

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2025/1/12

営業歴が長くてもアポは取れない⁉専門家が絶賛する取れる営業のやり方とは?(Youtube専門家対談企画営業の心理学の第二回目)

・昔の調査では、営業歴が長くても、素人と成績は変わらない可能性がある。 ・営業の専門家でも、営業人材育成には付きっきりで、最低半年はかかる! ・平均よりも営業成績を上げるには、何度も試行錯誤して良いものを抽出していくプロセスが必要。 現場に携わる専門家をお招きして、専門家同士が対談するYoutube専門家対談企画。 今回は、営業歴20年で合同会社トースティー代表の伊藤さんと営業の心理学についてお話します。 今回のトピックは、「営業の『質か量か問題』答えは質かもね!」 普段のビジネスでもよく議題にあがる「質 ...

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心理学・脳科学/Psychology・Neuroscience 未分類 記事/Article

緊張や不安であがる脳のメカニズム

・本番前は緊張であがってしまい、いつものパフォーマンスができません。

・試合前は不安であがってしまい、パフォーマンスが悪くなる。

・あがる時に脳でどのようなことが起こっているのか?

大事なプレゼンや商談前にたくさん準備してきたのに、あがって失敗したご経験はありませんか
緊張しいの私はそんな経験ばかりです。

しかし、心理学では古くからこの緊張や不安で「あがる現象」について研究されています

今回は、比較的最近の脳の研究を参考に、なぜあがると体が思うように動かなくなるのかについて解説します。

本記事では以下のことが学べます。

1. 緊張や不安であがって成績は下がる脳内メカニズム

2. 緊張や不安であがるのは脳の報酬系が関係する。

3. 緊張や不安であがると脳の運動野の活動に影響する。

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①緊張や不安であがるのは、脳の報酬系と前頭葉が関係している!

緊張や不安であがるのは、何か自分が成し遂げたいことがあるからです。

「競争・レース・試合で勝ちたい」
「賞金を手に入れたい」
「勝ちまくって社会的に認められたい」

全て何らかの報酬が関係します。
脳にも報酬やモチベーションに関係する部位があり、総称して「報酬系」と呼ばれます。

その報酬系が、緊張や不安であがる現象と関係することを調べたのが、Mobbsら(2009)です。

彼らは狩りのゲームをして、狩りで成功した報酬量を調整することで、あがり現象と脳の関係を調べています。

ゲーム自体は複雑ですので割愛しますが、要は二つの条件があります。
一つ目が、狩りで成功すれば「50セント」もらえる小さい報酬の条件で、二つ目が、「5ドル」もらえる大きい報酬の条件です。

すると、狩りのゲームの結果はどうなったのでしょうか?
その結果が以下の図です。

performance and reward and choking

まず左側のbの図です。
縦軸が狩りの成功確率で、赤が5ドルもらえる高報酬条件で、ねずみ色が50セントの低報酬条件です。

すると、高報酬条件の方が狩りの成功確率が統計学的に低くなっているのがわかります。

また、右側のCの図は、もうすぐで狩りが成功したのにというニアミスの確率です。

ニアミスの確率は、高報酬条件の方が高く、低報酬条件で低くなっています

なので、高報酬条件だと緊張してか、低報酬条件と比べてニアミスが多くなり、成績が下がる傾向にあります

この時の脳活動を調べたのが、以下の図です。

choking and reward and prefrontal cortex

aとbのいずれの図も、脳の奥の方が関係しています

特にaは、報酬系と呼ばれる領域で、その領域が、低報酬条件より高報酬条件の方が赤く光って活動していることを示しています。

bの図は、逆に、低報酬条件の方が高報酬条件よりも活動した領域です。

これらの領域は、前頭葉(PFC)前帯状回(ACC)が活動しています。

前頭葉は、考えたり、戦略を立てるのに大事な領域です。

高報酬条件より低報酬条件でより活動したということは、高報酬条件ではあがって活動せず、低報酬条件ではあがらずに自分の本領が発揮できた可能性を示しています。

また、ニアミスの確率が上がれば上がるほど、報酬系の活動が上がることが示されています
これも、低報酬条件より高報酬条件で活動が上がる報酬系の脳メカニズムと一致します。

個人的な解釈をすると、高報酬条件では低報酬条件と比べて、緊張してあがってしまい、ニアミスが増え、狩りゲームの成績が下がります

それは脳のメカニズムとして、報酬系の活動が上がり、報酬に目がくらんで、戦略を立てたりする前頭葉が上手く働くなくなるからだと考えられます。

報酬系と前頭葉が、緊張や不安であがってパフォーマンスが発揮できない脳のメカニズムの一つだと考えられそうです。

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②緊張や不安であがると、脳の運動野の活動にも影響する!?

先ほどの研究では、報酬系と前頭葉の活動があがり現象のキーポイントだと説明しました。

しかし、Lee and Grafton (2015)の研究では、実は手や足を動かす脳の運動野の活動も、あがることによって影響を受けることが示されました。

reward game

彼らは簡単な手の運動を使ったゲームをしています。

上図のように、最初に、低報酬の5ドル・中報酬の10ドル・高報酬の40ドルの報酬条件が提示され、そのあとに緑のミミズを赤のボックスに入るようにパソコンを操作するゲームをさせます
そのゲームをしているときの脳活動を測っています。

すると、ゲームの成績の結果は以下のようになりました。

reward game performance

一番上のAの図は、課題全体の成績を示します。
縦軸が、成功確率で、横軸がそれぞれ報酬です。

すると、低報酬条件と高報酬条件では、中報酬条件より成績が下がっていることがわかります。
おそらく、低報酬ではやる気が出ず、高報酬では緊張であがってしまったのかもしれません

真ん中と下の図は、それぞれ課題の前半の成績と後半の成績を示しています。

すると前半では顕著で、低報酬条件と高報酬条件では中報酬条件より成績が下がっています
しかし、後半になると課題に慣れてきたのか、統計的な有意な差はあるとは言えない状態になりました。

それでも、全体では高報酬条件で緊張であがっていることが示されています。

この時の脳活動の結果が以下の図です。

choking and motor cortex and prefrontal cortex

この図は、運動野と関係している脳領域を表しており、上から左前頭葉・右前頭葉・帯状回を示しています。
この三つの領域は、最初に紹介した研究と一致していますね。

特に、前頭葉は運動野と関係しているのは大事な点です。
前頭葉で計画・戦略を立てて、それを運動野にスムーズに受け渡せるかに関係するからです。

この左右の前頭葉と運動野と報酬の高さの関係性を示した図が以下の図です。

reward and prefrontal-motor cortex connectivity and correlation

この図は、縦軸が上に行くほど報酬が高い場合を示します
横軸が、前頭葉と運動野の関係性の強さです。右に行けば行くほど強いことを示します。

上半分は右前頭葉と運動野との関係性で、下半分は左前頭葉と運動野の関係性です。

すると、どの図も右肩下がりになっており、報酬が高ければ高いほど、前頭葉と運動野の関係性は弱くなっていくことがわかります。

つまり、高報酬により緊張であがってしまうと、前頭葉と運動野の関係性も弱くなり、運動パフォーマンスが下がると解釈できます。

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③まとめ

以上より、緊張や不安であがる時の脳内メカニズムについて見てきました。
まとめると以下のようになります。

      • 低報酬より高報酬の方が成績が悪くなり、これは緊張や不安によりあがっていることを示している。
      • 高報酬によってあがると、報酬系と前頭葉の活動が上がり、脳内メカニズムとしてこの二つの領域がキーポイントになる。
      • 高報酬によってあがると、前頭葉と運動野の関係性が弱くなり、運動パフォーマンスが下がると予想できる。

緊張や不安であがる現象については、まだまだ謎の部分は多いですが、結構面白いところまでわかってきています。

特に、報酬系と前頭葉の活動は重要で、報酬に目がくらんで前頭葉が働いていない可能性があります。
それの影響が、前頭葉と運動野の関係性を弱くしているのかもしれません。

これからの研究が楽しみですが、緊張や不安であがるのを防ぐ一歩になりそうな研究でしたね。

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参考文献

Lee and Grafton. (2015). Out of control: Diminished prefrontal activity coincides with impaired motor performance due to choking under pressure. Neuroimage,  105, 145–155.

Mobbsら(2009). Choking on the Money: Reward-Based Performance Decrements Are Associated With Midbrain Activity. Psychological Science, 20(8), 955–962.

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