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2024/5/25

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2024/5/23

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運動指導者のあるべき姿とは

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2024/5/9

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経済学・経営学/Economics・Marketing 記事/Article

日本の国の借金は何が問題なのか?問題無し派の主張と経済成長率

連日ニュースで話題になっている日本の国の借金

現在では、1000兆円を超えています。

果たして、日本の将来は大丈夫なのでしょうか?

かなり疑問に思われます。

それなのに、日本の国の借金は経済的にも政治的にも問題ないという意見が多数あります

日本はギリシアのように破産しないということらしいです。

では、いったい、日本の国の借金は、重要な問題なのでしょうか?

それともあまり問題ないのでしょうか?

本記事では、まず日本の国の借金は問題ないという意見をご紹介します。

その後に、経済学的エビデンスに沿って国の借金が日本経済に与える影響について考えます。

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①日本の国の借金は問題ない?

まず、問題ないと主張する側の意見です。

日本の論文を調べていると、日本の国の借金(公債)は問題ないと述べている論文に出会いました。

その著者が、土生(2006)です。

土生(2006)は、冒頭に以下のように述べています。

公債という債務の特質が理解されておらず、それが日本の財政についての過剰な危機意識を生む基礎的要因になっている。・・・議論の前提となる日本の財政や経済の現状についての理解が一面的なこと・・・現在の日本の財政と経済を特徴づける諸指標のなかには、公債利払費の低さ、市場利子率の低さ、租税負担率の低さなど、むしろ日本財政の強さや余力を示すものが幾つかあるが、日本財政危機論の多くはそれを無視し、軽視し、あるいは見落とすことのうえに成り立っており、その点できわめて一面的な議論になっている。

つまり、日本の莫大な国の借金は、日本の経済・政治的現状を広く眺めた場合、それほど問題ではないという意見です。

むしろ、日本の国の借金が問題だと述べている人は一面的な理解だと批判しています。

では、その意見の根拠を見ていきましょう。

まず、基本的なこととして日本の国の借金は年々増え続けています(下図)。

そして、「この事実は、国がその債務の多くを実質的には返済しないできたことを示している」というのです(土生, 2006)。

なぜ国の借金に関して、返済しなくてもいいのか?

その理由は、国の借金の性質にあると土生(2006)は述べています。

日本国債の性質の一つ目が、

国債は債務者の債務支払能力が永続的であるという特質をもつ債務である。国債の債務者とはいうまでもなく国家であるが、国家は一般に永続するものとみなされており、したがってその債務支払能力も永続する

という性質です。

ここで重要なのが、「この国家の債務支払能力の永続性によって、新債の発行を財源とする旧債の償還という操作の無期限継続反復が可能にされること・・・すなわち、国家は新債を発行し、それを財源として旧債を償還するという操作を、何回でも反復して行うことができる」という点です。

債務側の国家が、借金をしてその債務を無限に補填することができるのです。

国の借金を払うために、国が借金するということ

それが無限に可能なのです。

そして、これができて別に都合が悪くなることがないと土生(2006)は述べています。

債務者、すなわち国家ないし納税者にとって多くの場合、好都合だという事情である。通常、国債元本を実質的に返済する負担に比べて、その利子だけを支払い続ける負担は著しく小さい。100兆円の国債を実質的に返済するためには100兆円の財源(租税収入)がいるが、利子を支払い続けるだけなら年2~3兆円もあれば足りる。

債務返済の実質的先延ばしは、国債の場合、債権者、すなわち国債所有者の立場からいっても不都合がないという事情である。国債は満期になれば額面で償還される。その償還財源が租税収入で賄われるか、新たな公債発行によって賄われるかは、国債所有者にとってはどうでもよい問題である。

この二つの理由より、国の借金を新たな国債発行で賄うことが行われています。

まとめると

①国債は実質的返済の先延ばしが可能な債務であること。

②実質的債務の先延ばしは、債務者の立場からは多くの場合、好都合な選択であること。

③実質返済の先延ばしは、債権者の立場からの支障がないこと。

この三つの理由によって、日本の国の借金の返済が進んでいません。

さらに、

経済的にはプラスの効果が生じることが期待できる。というのは、公債発行によって過剰な資金に有用な捌け口が与えられて財貨やサービスの追加的な供給が可能となるし、同時に、需要水準が高められて景気の好転と経済の成長にも役立つ

とまで述べています。

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②国の借金には問題ないという意見への疑問

以上が、国の借金は問題ない派の代表的な意見です。

債務者と債権者にとって不都合が生じないということが良く分かります。

しかし、この主張は、議論の単なる矮小化にすぎないのではないでしょうか?

確かに、土生(2006)は、他にも、日本の租税負担率が世界的に低いことや利子率の低下等を根拠に挙げて日本の国の借金は問題ないと述べています。

それでも、債権者と債務者間の問題という領域から出ておらず国債の経済や財政全般への影響を客観的なエビデンスでもって論証しているわけでもない

特に、最後の「経済的にプラスになる」という主張は根拠薄弱です。

詳細は後述しますが、過去の研究を見ると、国の借金は経済成長にマイナスに働く可能性があります。

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③国の借金の経済成長への影響

確かに、Spilioti(2015)のように、最近の研究では、国の借金がGDP成長率にプラスの影響があるという報告もあります。

しかし、これらの主張には、エビデンス的に問題点があり、鵜呑みにできません。

むしろ、過去の研究のように、国の借金はある程度の大きさをもつと経済成長にマイナスに作用するというエビデンスの方が大半を占めています

なぜ、国の借金がある程度大きくなると経済にマイナスになるのか?

Ribeiro et al. (2012)とSpilioto(2015)の過去研究のレビューを見てみましょう。

主な要因は以下の4つです。

①高い国の借金は、個人の私的消費の落ち込みをまねく。

②高い国の借金は、社会的(公的)支出を減らす。

③高い国の借金は、私的企業や他の経済団体の成長を鈍くさせる。それゆえ、経済活動が活性化されない。

④国の借金は、納税者の生涯消費を減少させる。

これらが、国の借金が経済にマイナスの影響を与える理由です。

上記の理由は、因果関係までは特定されていませんが、過去の研究から比較的信頼性の高い見解です。

そして、極めつけは、10%国の借金が増加すると、GDPの成長率が0.2%下がるというエビデンスもあるという。

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④まとめ

以上より、土生(2006)の意見を参考に、国の借金は問題ないという意見を考えました。

他にも多くの見解があると思われます。

しかし、国の借金に問題がないという主張は、債権者と債務者の間に不利益がないという議論の矮小化です。

しっかりとしたエビデンスに沿って考えると、多すぎる日本の国の借金は経済成長など経済全般にマイナスの影響を及ぼすと結論できます。

国の借金についてより活発な議論が進めば幸いです。

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参考文献

土生(2006). 日本の公債は危機レベルに達しているのであろうか―公債問題はどのように考えるべきか―. 岡山大学経済学会誌, 38(1), 1~20.

Ribeiro et al. (2012). TEFFECT OF PUBLIC DEBT AND OTHER DETERMINANTS ON THE ECONOMIC GROWTH OF SELECTED EUROPEAN COUNTRIES. ECONOMICS AND MANAGEMENT, 17(3), 914-921.

Spilioti (2015). The relationship between the government debt and GDP growth: evidence of the Euro area countries. Investment Management and Financial Innovations, 12(1), 174-178.

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