・営業マンが自分の話ばかりで、相手の話を聞かない。
・顧客目線の営業を育成するにはどうすればいいのか?
会社の営業職に就くとよく言われるのが、「お客様の声やニーズを聞いて、それに合わせた提案をする」ことです。
これはB2BやB2Cなどビジネス業態に関係なく、ビジネスでは営業マンに必須の能力です。
しかし、顧客目線に立って営業ができる営業マンはかなり少ないのが現状です。
ほとんどの営業マンは、「売上トップを目指す!」「売れるテクニックを駆使する」など顧客に目が行っていません。
早口でまくしたてたり、トークスクリプトを棒読みするテレアポを受けることがありませすが、これはまさに目の前の顧客ではなく、単に売ることに注意が向いている証拠です。
では、どうすれば、顧客目線に立てる営業マンが育つのでしょうか?
心理学では、営業マンだけではなく、所属する会社自体が顧客目線を持つ必要があると示します。
心理学で「顧客目線」とは、「相手の役に立とうとする姿勢」を言います。
この顧客目線が営業に関係する理由と心理学のエビデンスをご紹介します。
本記事では以下のことが学べます。

2. 顧客目線の営業マンは、他の社員が顧客目線に立てるように情報共有し、サポートする。
3. 顧客目線は結局お客様の満足度を上げる!
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①会社が顧客目線にならないと営業が顧客目線になるのは難しいかも?
営業マンは日々の営業ノルマに追われて、顧客目線に立てず、数で勝負する人が多い印象があります。
しかし、それだと数の勝負になり、営業マンのスキルは伸びず、営業成績はいつか頭打ちになります。
営業は会社の売上を直接左右しうる職です。
頭打ちになっていると、会社の業績も頭打ちになり、さらに売り上げも下がり……と悪循環が生じます。
そこで大事なのが、営業マンが顧客目線に立てることです。
顧客目線に立てる営業マンは、自分目線の営業マンより業績や顧客の満足度が高く、かつ、自分の仕事満足度が高い傾向があると心理学では複数の研究で示されています。
では、顧客目線に立てる営業マンはどうすれば育つのか?
研修でもある程度は顧客目線を身につけられますが、やはり、所属する会社自体が顧客目線に立てないといけません。
それを示したのが、Román & Iacobucci (2010)の研究です。
彼らは、営業マン630名とその顧客210名を対象に調査を行いました。
この研究では、会社の顧客目線や営業の顧客目線だけではなく、営業のモチベーションや顧客とのコミュニケーションスキル、営業成績などを聞いています。
他にも、営業自身が評価する項目として「顧客目線に立てているという自信」を調べたり、顧客が評価する項目として「営業マンへの顧客満足度」や「商品への満足度」なども調べています。
かなり多岐にわたる調査ですが、結果として大事なのは、以下の2点です。
1) 会社が顧客目線に立つことが大事で、それが営業マンのモチベーションや顧客とのコミュニケーションスキルを上げ、さらに、顧客目線の営業マンが育つ。
2) 顧客目線の営業マンほど、顧客からの満足度が高く、顧客に将来的に関わりたいと思われ、営業が提案する商材への満足度も高くなる。
この2点が挙げられます。
つまり、会社の方針や社風が顧客目線を重視しないと営業マンは顧客目線になかなかなれないのです。
顧客目線の営業マンになれると、顧客からの評価が高くなるとお墨付きがあるような状態です。
相手の役に立とうとする姿勢である顧客目線は、顧客の話をじっくりと聞き、顧客のニーズ把握に努め、顧客の困りごとを解決する商材の提案ができることにつながります。
押し売りする営業マンとは違い、顧客の評価も高くなります。
売上至上主義のような会社は、営業マンに売上を求め、トップになるようにします。
しかし、顧客からすると会社でトップになろうが、売上を立てられる営業であるかは、正直どうでもよいのです。
やはり、会社の雰囲気が営業マンの仕事の姿勢に影響を与えることを心理学は示しています。
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②顧客目線に立てる営業マンは、他の営業マンを顧客目線に立てるように情報共有し、サポートするようになる!?
では、所属する会社が、顧客目線の営業マンを増やすにはどうしたらいいのでしょうか?
その一つは、顧客目線の営業マンにある程度サポートしてもらうことです。
その可能性を示したのが、Hartlineら(2000)の研究です。
少し古いですが、かなり顧客目線の営業マンを育てるのに役立つ研究をしてくれています。
彼らは、営業のマネージャー職200名以上とその部下の営業職500名以上を調査しました。
主にホテルの従業員を対象にしています。
彼らの調査では、「顧客目線がどれだけできているか」だけではなく、「会社組織の顧客目線をどれだけシェアするか」など、他者に働きかけることも調べています。
それらを調べてわかった結果が以下の3点です。
1) 顧客目線の従業員ほど、組織の同じ従業員のサポートをする。
2) 顧客目線の従業員ほど、組織の顧客目線につながる情報をシェアする。
3) 顧客目線の従業員ほど、組織に熱心に関わろうとする。
複雑な結果の内、いくつか大事そうな3点をピックアップしました。
つまり、顧客視点が高い従業員ほど、会社単位や組織単位で顧客目線になるように他の従業員に働きかけるようになります。
顧客目線の従業員ほど組織に関わろうと熱心になります。
そして、他の従業員は顧客目線の従業員からサポートを受けるので、他の従業員も顧客目線になりやすくなります。
こうして、従業員の間で顧客目線になる正の循環が生まれる可能性があります。
回り廻って、会社自体が顧客目線になる日も来るでしょう。
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③まとめ
以上より、営業マンと会社が顧客目線になる心理学的な方法を見てきました。
まとめると以下のようになります。
- 顧客目線は、会社が主導しないとなかなか営業マンに浸透しにくい。
- 顧客目線の営業マンが育つと、顧客からの営業マンへの評価と会社への評価が高くなり、売上向上につながる。
- 顧客目線は、顧客目線の従業員を大切にすることが大事。
- 顧客目線の従業員は、他の従業員も顧客目線になるようにサポートし、情報共有するようになる。
- 顧客目線の従業員のおかげで、会社単位や組織単位で顧客目線が身につく正の循環が生まれる可能性がある。
一つ目と二つ目の研究は結構つながっています。
従業員主導なのか、会社主導なのか、どちらが先かは鳥と卵のようですが、できれば会社主導の方が早く確実に顧客目線の営業マンを育てられると私は考えています。
ボトムアップより、トップダウンの方が、影響力があり、従業員も従いやすいからです。
また、上の人が顧客目線の模範となれば、下の者は上の者から学んで顧客目線になります。
それが、従業員同士や営業マン同士で広がっていくような気もします。
顧客目線はすぐには身につきませんが、顧客目線を意識するだけでも変わると思います。
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参考文献
Hartlineら(2000). Corridors of Influence in the Dissemination of Customer-Oriented Strategy to Customer Contact Service Employees. Journal of Marketing, 64(2),35-50.
Román & Iacobucci (2010). Antecedents and Consequences of Adaptive Selling Confidence and Behavior: A Dyadic Analysis of Salespeople and Their Customers.
Journal of the Academy of Marketing Science, 38(3), 363-382.
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