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2025/4/1

長男と次男で能力や性格に違いが出る理由(Youtube専門家対談企画子育ての心理学の第四十三回目)

・親の語り掛けや絵本の読み聞かせなど、親の努力が能力の違いをなくす! ・外に遊びに行く頻度や経験値の違いによって、長男と次男の違いが生まれる⁉ ・長男に次男からのプレシャーは常にあって、それが負けず嫌いの性格につながる⁉ 現場に携わる専門家をお招きして、専門家同士が対談するYouTube専門家対談企画。 今回は、保育歴7年で親子の愛着ナビゲーターのゆうさんと子育ての心理学についてお話します。 トピックは、「生まれ順で能力に違いはある?!」です。 長男・長女や末っ子など、世間では ...

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心理学・脳科学/Psychology・Neuroscience 精神医学/Psychiatry 記事/Article

2025/3/28

子どもの愛着形成が上手くいかないと発達に問題が生じる!?

・愛着形成の種類とは? ・愛着形成が上手くいかないと問題が起こるのか? ・子どもの発達と愛着形成の関係性とは? 愛着障害の言葉があるように、親や養護者との愛着形成が上手くいかないと子どもに問題が生じます。 それは、愛着障害ではない普通の子どもでも親との愛着形成が上手くできないと発達で問題が生じる可能性があります。 では、具体的にどのような問題が起きるのか? 心理学の研究をもとに紹介します。 この記事では以下のことが学べます。 1. 愛着形成が上手くいかないと記憶に問題が生じる。 2. 愛着形成が上手くいか ...

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2025/3/27

朝練より睡眠なのか?(Youtube専門家対談企画スポーツ心理学与太話の第四十五回目)

・睡眠は、新しい動きや新しい試みを脳に定着させる役割がある。 ・明らかに、睡眠をとれている選手と取れていない選手で差は出る! ・名だたるスポーツ選手や名コーチも睡眠の大事さを分かっていた! 現場の専門家をお招きして、専門家同士が対談するYouTube専門家対談企画。 今回は、パーソナルトレーナーでスポーツ選手も指導される前田さんとスポーツ心理学についてお話します。 今回のトピックは、「朝練」です! 高校や大学でよく行われる「朝練」 わざわざ早起きしてやる意味はあるのか? 今回は、そんな朝練をより自分にとっ ...

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心理学・脳科学/Psychology・Neuroscience 記事/Article

【脳科学が解明】仲間外れにされる人の心の痛みと脳のメカニズム

 

現代社会で生きるには、人との交流が欠かせないです。

それゆえ、昔から言われている村八分のように、人間を人間集団から仲間外れにする(排除する)行為は最大の罰です。

仲間外れにされる人には大きな心の痛みが伴います。

大きな集団ではなく、我々は友達や恋人など対人関係を築き生活しています。

何気ない日常の些細なすれ違いで、友達と疎遠になったり、恋人と別れたりすることは人間誰しもあること。

その時感じる「心が痛む」という感覚は、文化問わずあるように思えます。

今回は、この仲間外れにされたときや他人と別れた時に感じる「心の痛み(社会的痛み)」(Social Pain)について考えます。

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①仲間外れにされるサイバーボール・ゲームの実験

では、我々が他の人間集団から仲間外れにされるときの「心の痛み」とはどのようなものか?

心の痛み」とは、単純に言葉の比喩の問題なのだろうか?

この難題に科学的に挑んだのがEisenberger et al. (2003)です。

彼らは、仲間外れを引き起こす「サイバーボール・ゲーム」という実験課題を開発しました。

fMRIで実験参加者にこのゲームを行ってもらい、仲間外れにされる時の「心の痛み」の脳画像を撮影することに成功しました。

サイバーボール・ゲームとは、上図のように、三人でキャッチボールをする単純な課題です。

図の左側は、自分にもボールが来るようになっており、三人仲良くキャッチボールができる様子を表している(コントロール条件)。

他方、図の右側は、三人なのに、自分以外の二人でばかりキャッチボールをする様子を描いています(仲間外れ条件)。

まさに、仲間外れにされる状態です。

実際に実験参加者は、コントロール条件と仲間外れ条件の二つの条件を体験する。

その後、実験者は、二つの条件の差分を取って、仲間外れの時の脳活動を研究しました。

仲間外れ条件の時の実験結果は、上図の通り。

脳の真ん中より少し前方の部分が活動しているのがわかります。

この脳部位は、ACC(anterior cingulate cortex:前帯状回)と呼ばれる脳部位で、心理的な葛藤状態や痛みに関連するときなどに活動します

つまり、この研究から、仲間外れの時に感じる「心の痛み」は、比喩ではなく、文字通り「痛み」の一種であることが示唆されます。

この痛みは後に、Social Pain(社会的痛み)として研究が進められることになります。

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②「心の痛み」は物理的に感じる「痛み」と同じ?

Eiseberger et al. (2003)の研究から、仲間外れにされる「心の痛み」は一種の「痛み」であることが示唆されました。

では、この「痛み」とはどのような痛みなのだろうか?

この問題に取り組んだのが、Kross et al. (2011)である。

彼らの研究では、別の実験課題を使用しているが、仲間を喪失した時の「痛み」熱い温度で感じる物理的な「痛み」とをfMRIを用いて比較しました。

すると、上図のように、なんと仲間外れにされる「痛み」と物理的な「痛み」とで活動する脳部位がかなり重なっていました

他の脳部位の活動も関連するものの、彼らは、仲間外れにされるときの「心の痛み」と物理的な「痛み」とは同様のものであると考えました。

心の痛みは、殴られたり蹴られたりした時の痛みと同じくらいのインパクトがあるのです。

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③しかし、「心の痛み」と物理的な「痛み」とは同じではない。

近年の研究で、Kross et al. (2011)に反論する研究が行われました。

それが、Woo et al. (2014)の研究です。

彼らは、「同じ脳部位でも違うことをすると活動することもある」という過去の知見から、Kross et al. (2011)と全く同様の課題を行い、脳部位の特定を行いました。

すると、上図のように、詳しく脳画像を分析すると実は仲間外れにされる「痛み」と物理的な「痛み」とで脳の活動パターンが異なることを示しました(右側の図: 上が物理的痛みの時の脳活動で下が仲間外れにされた時の脳活動)。

Woo et al. (2014)は他にも専門的な分析を行っていますが、研究結果に変更はありませんでした。

結局、仲間外れにされる「心の痛み」は物理的な「痛み」と同じなのだろうか?

それとも全く異なる現象なのだろうか?

明確なことはまだわからず、将来に期待するしかない。

しかし、私の個人的な見解では、同じ「痛み」ではあるが、性質は異なるだろうという意見です

理由は簡単で、Woo et al. (2014)の前提と同様に、他の行動を行っても「痛み」に関する脳部位の活動は見られる。

例えば、ACC(前帯状回)は確かに痛みに関連する脳部位ですが、「葛藤状態」など他の要因によっても活動が見られます。

仲間外れにされるという状況と自分の願望との葛藤が反映されている可能性が高く、Woo et al. (2014)はそのことを研究で示しています。

それでも、「痛み」であることには違いない

心理的な「痛み」の研究は、トラウマなどの精神疾患の研究に役立ちます。

また、人間の心の仕組みの解明にも直接つながる面白い研究だと思います。

あえて今回は教訓めいたことは避けますが、この社会的痛み(Social Pain)の研究はいろいろと示唆的であと思います。

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参考文献

Eisenberger et al. (2003). Does Rejection Hurt ? An fMRI Study of Social Exclusion. Science, 302, 290-292.

Kross et al. (2011). Social rejection shares somatosensory representations with physical pain. PNAS, Vol. 108, No. 5, 6270-6275.

Woo et al. (2014). Separate neural representations for physical pain and social rejection. Nature Communications.

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