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心理学・脳科学/Psychology・Neuroscience 記事/Article

2025/10/28

営業戦略で成果向上させる営業マンの特徴とは?

営業の心理学の研究では、営業戦略の重要性が叫ばれています。 よく行われる営業戦略は、ペルソナ設計がとても多いです。 また、「何十代の女性で」のようなペルソナ設計は営業成績向上にもつながりやすいです。 しかし、なぜ上手く行きやすいと言われる営業戦略をしても、上手く行かない営業マンが多いのでしょうか? 確かに、ペルソナ設計の注意点もありますが、営業マン自身の特徴もあると心理学では言われています。 今回は、営業戦略が上手く行える営業マンの特徴について心理学のエビデンスをもとに紹介します。 本記事では以下のことが ...

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money inequality impacts on children's health and brain

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2025/10/26

【心理学】お金の不平等が子供の心理と脳に影響する⁉

・お金持ちの家庭の子供は、運動はできないが勉強はできる! ・貧乏な家庭の子供は、体が健康だが勉強は苦手。 ・お金の不平等は子供の心理的健康や脳に影響するのか? 家庭などの環境は、子供の成長・発達に影響することを示した心理学の研究は多いです。 今回はその中でも、脳の構造まで調べた、約一万家庭以上の思春期・青年期の子供を対象にした研究を紹介しています! お金は大事です。 子供の健康だけではなく、脳にまで影響するのか? ぜひ動画をご覧ください! スポンサーリンク

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sales person training and psychology

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2025/10/20

【総集編】営業の育成の心理学(YouTube専門家対談企画営業の心理学の第二十回目)

・LTV(Life Time Value)を上げるのが営業のお仕事! ・営業はクロージングなどの些末なテクニックではない! ・途中からの育成は、一人ひとりによって異なるはず!一人一人の個性を見るべし! 現場に携わる専門家をお招きして、専門家同士が対談するYouTube専門家対談企画。 今回は、営業歴20年で合同会社トースティー代表の伊藤さんと営業の心理学についてお話します。 今回のトピックは、「営業の育成」についてです。 営業マンの育成は企業の喫緊の課題です。死活問題にすらなります! しかし、優秀な営業マ ...

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心理学・脳科学/Psychology・Neuroscience 記事/Article

ドメスティック・バイオレンス(DV)は目撃するだけで脳に悪影響

ドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力)は深刻な問題です。

近年、ドメスティック・バイオレンスによって幼い命が失われる事件がしばしば報道されました。

私たちの記憶にも新しいでしょう。

そのような子供を一人でも減らすためには、ドメスティック・バイオレンスについて偏見やイメージではなく正確な知識が必要です。

以前の記事「心理学が解明したドメスティック・バイオレンスの子供への影響」では、ドメスティック・バイオレンスが子供の将来にどのような悪影響を及ぼすのかを解説しました。

今回は、ドメスティック・バイオレンスの被害にあわなくとも、例えば母親がドメスティック・バイオレンスの被害を受けているところを見るだけでも子供の脳に悪影響が及ぶことを解説します。

つまり、実際に被害にあわなくても子供の成長に悪い影響がでるということです。

最新の神経科学(脳科学)の知見がそれを教えてくれます。

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①ドメスティック・バイオレンスを目撃するだけで脳の表面部分が委縮する

ドメスティック・バイオレンスと脳の関係を調べた研究は、2000年代初期の頃からありました。

しかし、その当時は脳科学も発展しておらず、研究結果が芳しくありませんでした。

そのような状況が続いていましたが、2010年代にようやくドメスティック・バイオレンスの脳への影響を示した研究が出てくるようになりました。

Tomoda et al. (2012)は、子供時代にドメスティック・バイオレンスの被害にあったのではなく、目撃者であった人(目撃群)全く何もなかった人(ノーマル群)とを集めて、脳構造の違いを比較しました。

すると以下の図のように、赤く光っている部分が目撃群とノーマル群とで違いがあるという結果になりました。

witness domestic violence and cerebral cortex

この部位は、視覚に関係する領域です。

目撃群はノーマル群に比べて、脳の視覚領域の表面部分が委縮しているのです。

そして、特に目撃場面別にみた場合に、言葉の暴力がふるわれているところを目撃した場合にこの脳領域の構造の委縮がひどいという報告もされています。(下図の右から二つ目verbalの棒グラフ)

つまり、ドメスティック・バイオレンスでも、悪口・罵声を浴びせられている場面をよく目撃しているほど脳の視覚に関連する領域が悪くなるのです。

この視覚領域の脳の萎縮でどのようなことが起こるかというと、物事の視覚的認識が鈍くなることは明確ですが、中には睡眠障害に関連しうるという報告もあります。

それくらい、ドメスティック・バイオレンスを目撃することは、将来の日常生活に影響します。

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②ドメスティック・バイオレンスは脳のつながりを悪くする

次にご紹介する研究は、脳のつながりに関する話題です。

脳は様々な領域が繋がっていて、情報をやりとりしています。

なので、脳領域のつながりが悪ければ、情報伝達も上手く行かず、脳があまり機能しなくなります。

Choi et al. (2012)は、先ほどの研究と同じように、ドメスティック・バイオレンス目撃群とノーマル群との脳構造を比較しました。

すると、図の黄色で光っている部分の構造が目撃群では悪いことを示しました。

緑で描かれているのが、脳構造のつながりです。

脳の後ろの方から前に情報を伝達する経路が描かれています。

この経路の黄色い部分のつながりが、目撃群では悪いのです。

さらに、驚くべきことに、この部分のつながりは、殴ったり引っかいたりする物理的なDVではなく、悪口・罵倒などのように言葉によるDVを目撃したと報告している人ほど悪くなっているというのです(下図の一番右側verbal>physicalの棒グラフが最も低くなっています。これが脳構造のつながりぐあいの悪さを示しています)。

先ほどの研究ととても似ていますが、今回の研究では、繋がりがキーポイントです。

この領域のつながりが悪いと、言葉の理解言葉を発することがうまくできなくなる可能性が出てきます。

言語領域に特に関わる領域であり、言葉のDVでさらにこの領域のつながりが悪くなるということは整合性がある結果だと思われます。

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③まとめ

以上が、神経科学(脳科学)が解明したドメスティック・バイオレンスの目撃による脳への影響です。

実際に被害にあうだけではなく、DV場面を目撃するだけで脳構造に悪影響がでることは衝撃的です

児童虐待の疑いがある家庭だけではなく、ドメスティック・バイオレンス自体が疑われる家庭にいる子どもも保護の対象とするべきです。

それが、実際に被害にあっていなくともです。

家族のためであり、子供のためでもあります。

ただし、一つ注意が必要なのが、子供と母親の間ではドメスティック・バイオレンスの被害報告に差が出ることです(Kitzmann et al., 2003)。

Kitzmann et al. (2003)は、特に母親の方が、より被害をより大きく報告する傾向があると言います。

つまり、逆に言えば、子供は母親よりもDV被害を過小評価して報告するということです。

子供が、少しでもドメスティック・バイオレンスの話をすれば、実際の被害はもっとひどい可能性があるということです。

児童相談所をはじめとする相談窓口で、母親の報告に偏りがあると思われても、その報告は重く受け止めて一刻も早く対処するべきでしょう。

というのも、実際に子供は被害にあってなくても目撃するだけで脳の発達に悪影響がでるからです。

実際に対処して、DVがなかったらいいですが、対処せずにDVがあった場合が一番悲惨です。

一人でも多くの命を救うため、また一人でも多くの子供の幸せのために。

まずは正しい知識から。

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参考文献

Choi et al. (2012). Reduced Fractional Anisotropy in the Visual Limbic Pathway of Young Adults Witnessing Domestic Violence in Childhood. Neuroimage, 59(2), 1071-1079.

Kitzmann et al. (2003). Child Witness to Domestic Violence: A Meta-Analytic Review. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 71(2), 339-352.

Tomoda et al. (2012). Reduced Visual Cortex Gray Matter Volume and Thickness in Young Adults Who Witnessed Domestic Violence during Childhood. Plos One, 17(12), e52528.

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