・勉強ができる人は相応の努力をしているのか?
・単に勉強時間を増やすだけで成績は上がるのか?
中高生になると、受験があり、成績を上げられるかは死活問題です。
しかし、単に勉強時間を増やせばいいのか?
実はそんなことはないのですが、ある程度良い成績を取るにはそれなりの勉強時間が必要そうです。
今回は、膨大な高校生のデータを分析した心理学の研究や企業の調査をもとに、勉強時間と成績の関係性について紹介します。
本記事では以下のことが学べます。

2. 純粋に勉強時間が増えると成績も上がるのか?
3. 海外だけではなく、日本でも勉強と成績の関係はあるのか?
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①宿題の時間が長くて力を入れる高校生ほど、学業成績は良いのか?
一見、頭の良い生徒や勉強が得意な子は、宿題時間を短くし、すぐに終わらせて他のことに時間を使うイメージがあります。
しかし、心理学の昔の研究では、実はそうではないと主張しています。
Keith (1982)の研究では、2万人以上の高校生を対象に、宿題をする時間と学業成績の関係性を大々的に調べています。
宿題時間や成績に影響しそうな、「元々の勉強能力」や「進学するか、就職するか」などの要因も一緒に調べられています。
すると結果は以下の図のようになりました。

この図は、心理のしろくまが論文の図をもとに作成した図です。
簡単に大事なところをまとめると
1) 宿題をする時間が長いほど、学業成績が良くなる傾向にある。
2) 元々勉強の成績が良い子ほど、宿題をする時間が長く、学業成績も良い傾向にある。
3) 将来の進路で進学を選ぶ子ほど、宿題をする時間が長く、学業成績も良い傾向にある。
このように、宿題をする時間をしっかりと確保し、じっくり取り組むほど成績は良くなる可能性があります。
従来のように、元々成績が良く、要領の良い子でも宿題をする時間が長くなるほど学業成績は良くなる可能性があります。
この結果から、「宿題を増やせばいい」と考える人はいると思いますが、そうではなく、宿題に力を入れてじっくり取り組むことが重要だと思います。
宿題を多くしてしまうと、キャパオーバーになりますし、やらずにほっとかれる宿題も出てくるかもしれません。
そうなると本末転倒です。
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②勉強時間が長い高校生ほど、学業成績は良いのか?
先ほどは、家で行う宿題をする時間の長さが学業成績向上に関係することを見てきました。
実は、勉強ができる子は、勉強時間も長いと心理学では言われています(Fligni & Stevenson, 1995)
要領の良い子ではなく、勉強時間を確保して勉強する子の方が成績が良いのかもしれません。
余談ですが、高校生500人以上を調べたFligni & Stevenson (1995)の研究結果では、他にも高校生がどんなことに時間を使っているのかをアメリカ・中国・日本で調べています。
それによると、中国や日本はアメリカに比べて、あまり友人と過ごしたり、好きな人とデートしたりすることが少ないと示しています。
せっかくの高校生活ですから、勉強以外のその時期にしかできない人間関係にも注目してもらいたいですね。
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③企業の統計データから見る日本の高校生の勉強時間と学業成績の関係性
最後に、これまで特にアメリカなど海外の研究を参考に勉強時間と学業成績の関係を述べてきましたが、日本の高校生はどうなのかが気になるところです。
比較的最新のデータで、約2万の生徒を調べたベネッセさんの調査によると、これまで述べてきたことと一致している可能性が高いです。

この図は、全学年の成績別と勉強時間(縦軸)を年ごとに調べています。
この結果はわかりやすいです。
成績が良い上位層の子ほど、勉強時間が長い傾向にあります。
つまり、勉強ができる子は、勉強時間を確保して勉強に取り組んでいます。
では、勉強時間を長くするにはどうしたらいいのか?
あるいは、勉強すること自体を促すにはどうしたらいいのか?
それもベネッセさんは調べています。

この図は、勉強をしない理由を調査した結果です。
これを逆に解釈すれば、勉強をするようになる要因がわかります。
それを簡単にまとめると
1) 勉強の目的がある子ほど、勉強をする傾向です。
2) 自己調整(学習計画を立てる)子ほど、勉強時間をする傾向です。
このように、勉強時間を長くするには、自分で「○○時に△△時間勉強するぞ!」と計画を立てて、勉強する目的を見つけることだと言えそうです。
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④まとめ
以上より、高校生の勉強時間と成績の関係をまとめると以下のようになります。
- 宿題を一生懸命取り組めて長く時間を取る生徒ほど、学業成績は良い傾向にある。
- 単純に、勉強時間が増えると、学業成績も良くなる傾向にある。
- 海外だけではなく、日本でも同じことは言えそう。
勉強は確かに要領の良さは関係するかもしれませんが、大半の子は要領より勉強時間を確保し、勉強計画・習慣を作ることが学業成績向上には大事です。
昔の研究から比較的最新の企業さんのデータを見てきて、やはり勉強にも量はある程度必要だと思わされます。
成績を上げるには、変な勉強法に飛びつくより、まずは宿題に一生懸命になり、覚えることは覚えて、内容を理解する勉強の時間を多く確保することだと思います。
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参考文献
Keith, T. Z. (1982). Time spent on homework and high school grades: A large-sample path analysis. Journal of Educational Psychology, 74(2), 248–253.
Fuligni, A.J. and Stevenson, H.W. (1995), Time Use and Mathematics Achievement among American, Chinese, and Japanese High School Students. Child Development, 66: 830-842.
ベネッセ教育総合研究所・東京大学社会科学研究所共同研究プロジェクト.(2026).「子どもの生活と学びに関する親子調査2025」結果
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