
・人生が辛くて苦しい。どうやったら前向きになれるのか?
・心理学で人生の生活満足度向上はできるの?
人は幸せになりたい生き物です。
そのために、お仕事を頑張って努力してお金を稼ぎますし、自分の人生の満足度向上のために自分磨きをします。
でも、人生は辛くて苦しい時もあります。
うつ病患者が増えているという統計調査もあるくらいです。
では、どうすれば人生での生活満足度が向上するのでしょうか?
今回は心理学の研究をもとに、人生の生活満足度向上のきっかけとなる要因を紹介します。
本記事では以下のことが学べます。

2. 心理学で人生の生活満足度が向上する要因
3. 心理学で人生が好転するきっかけになりうる要因
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①逆境・壁・失敗が人を心理学的に強くする!
心理学の研究は長らくは、マイナスな人生をどうするかに焦点が置かれていました。
しかし、2000年代になってから、プラスの人生をよりプラスにするにはどうするかという心理学研究や心理学論文が出始めるようになりました。
その一つが、スポーツの研究でも見られます。
実際に、オリンピックの金メダリスト10人にインタビューした心理学の研究では、このように答えているメダリストもいました(Sarkarら, 2015)。
私は(オリンピックに選ばれるに足る人物だと)信じていたのに、一度や二度も選ばれずに、激怒したことがあります...しかし、チャンスをものにしたとき、大きな潜在力を持つ仲間になり、自分のベストを尽くそうと。それだけが自分にできることだ。まさに自分は一生懸命やることだ...
このメダリストは何度もオリンピックの選考漏れを経験しています。
それでも諦めずに、オリンピックの選考を獲得しました。
しかも、出場した大会で金メダルも獲得したのです。
このように、オリンピック代表選手の選考漏れという逆境や壁を経験することで、金メダルを取れるような人間としての強さを手に入れたのかもしれません。
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②人生の満足度向上のカギはレジリエンス、特に楽観主義にあり!
このオリンピック選手のように、何度も逆境や失敗に直面しても回復して再挑戦できるような状態を心理学では「レジリエンス」と呼びます。
レジリエンスが高い人は、後ほど紹介しますが、人生の生活満足度が高い傾向があります。
では、レジリエンスを鍛えるには、どのようにすればいいのでしょうか?
そのきっかけとなるのが、楽観主義だと有名な心理学者セリグマンはハーバードビジネスレビューで答えています(Seligman, 2011)。
つまり、物事を楽観的に捉える練習をすれば、レジリエンスは鍛えられるのです。
実際に、ハーバードビジネスレビューでは、トラウマになるような厳しい訓練を生き延びたレジリエンスの高い軍人さんは楽観的だという研究が例に出されていました。
心理学ではいくつかレジリエンスを高める方法がありますが、楽観主義はその一つです。
他のレジリエンスを高める方法は下記に動画でシリーズにしてまとめています↓
ご興味のある方はぜひご覧ください↓
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③グリット・心の強さ・レジリエンスと人生の生活満足度向上との関係
最後に、最近話題の心理学用語「グリット」と「心の強さ(Hardiness)」とレジリエンスの関係を調べた研究を紹介します。
まず、グリットとは、「長期的な目標に向かってやり続ける能力や情熱」を表します。
一方、心の強さ(Hardiness)とは、スーパーマンが相手の攻撃をものともしないように、「問題を問題としてではなく、チャレンジするものとして、コントロールしたり、変えることができたり、適応できるもと考えること」を表します。
どちらの心理学用語も、人生の満足度向上には大事な要素です。
では、先ほどまで紹介してきた、レジリエンス、グリット、心の強さ(Hardiness)にはどのような関係があり、人生の生活満足度向上とどう関係があるのでしょうか?
それを車いすテニスのスポーツ選手にアンケート調査した研究があります(Martinら, 2015)。
結果は、グリット・心の強さ(Hardiness)・レジリエンスはお互いに高め合うプラスの関係がありました。
また、人生の生活満足度向上には、特に、心の強さ(Hardiness)とレジリエンスが関係すると示されています。
グリットは、我慢しないといけない場面があるから、意外と人生の生活満足度とは関係しなさそうという結果も出ています。
それでも、グリットはお仕事やスポーツなどの物事の成功には欠かせない要因であると、グリット提唱者は語っています。
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④まとめ
以上より、心理学的に人を強くし、人生の生活満足度向上につながる要因を紹介しました。
まとめると以下のようになります。
- 逆境や失敗した後に回復する「レジリエンス」は人を強くし、人生の生活満足度向上につながりそう。
- レジリエンスを高める要因の一つは、楽観主義。
- 「レジリエンス」とチャレンジをものともしない「心の強さ(Hardiness)」が、人生の生活満足度向上に関係する。
上記で紹介しましたセリグマンらの研究や、いわゆる、スポーツのゾーン状態(フロー状態)を調べたチクセントミハイらの研究を皮切りに、心理学でも幸福や生活満足度向上の研究が出だしました。
人生の生活満足度を向上させる方法はこれらだけではありません。
他にももっと多くありますが、とりあえず、人を強くし、人生の生活満足度向上につながる「レジリエンス」「グリット」「心の強さ(Hardiness)」は意識してみるといいかもしれませんね。
皆さんの人生の生活満足度向上を願っております!
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参考文献
Martinら. (2015).Gritty, Hardy and Resilient: Predictors of Sport Engagement and Life Satisfaction in Wheelchair Basketball Players. Journal of Clinical Sport psychology, 9(4), 345-359.
Sarkarら. (2015).What doesn’t kill me…: Adversity-related experiences are vital in the development of superior Olympic performance. Journal of Science and Medicine in Sport, 18(4), 475-479.
Seligman. Martin E. P. (2015). Building Resilience. Harvard Business Review.
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