赤ちゃんの語彙力が上がるコツ:集中力が高い赤ちゃんは語彙力も豊富⁉

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2024/12/16

【心理学の研究】子どもの○○力は実は将来の語彙力向上につながる⁉(Youtube専門家対談企画子育ての心理学の第三十回目)

・一つの物事にずっと取り組める集中力は、語彙力向上に効果があるのか? ・多くの家庭の赤ちゃんの能力を調べた実験を紹介! ・聞くだけでわくわくするその実験内容とは? 現場に携わる専門家をお招きして、専門家同士が対談するYoutube専門家対談企画。 今回は、保育歴7年で「親子の愛情構築専門家」保育士ライターのゆうさんと子育ての心理学についてお話します。 トピックは、「赤ちゃんの言葉の語彙力」です。 赤ちゃんの語彙力の心理学シリーズの第三弾として「集中力の高い赤ちゃんは語彙力も豊富」を心理学のエビデンスをもと ...

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失敗から立ち直るレジリエンス

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2024/12/13

【心理学の解説】聞いたことはあるけど知らない「レジリエンス」って何?(Youtube専門家対談企画スポーツ心理学与太話の第三十五回目)

・心理学のレジリエンスの二つの意味。 ・スポーツ界でのレジリエンスは、筋肉の伸び縮で戻る力のこと! ・レジリエンスにはあの芸人さんのネタが関係している⁉ 現場に携わる専門家をお招きして、専門家同士が対談するYoutube専門家対談企画。 今回は、パーソナルトレーナーでスポーツ選手も指導される前田さんとスポーツ心理学についてお話します。 トピックは、「失敗から立ち直るレジリエンス」 普段よく耳にする「レジリエンス」。 それって何なのか? 何の役に立つのか? レジリエンスの意味とスポーツでの役割 ...

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母親の話しかけの効果とと子どもの語彙力

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2024/12/7

【保育士の証言】親と子どもはわからないことがあれば○○すると良い(Youtube専門家対談企画子育ての心理学の第二十九回目)

・親は子どもの興味関心についていくことが、子どもの成長にプラスになる。 ・子供もの「わからない」には、すぐ答えずに一緒に調べると○○に効果的! ・子どもの成長を促すために、親は△△くらいがちょうどいい。 現場に携わる専門家をお招きして、専門家同士が対談するYoutube専門家対談企画。 今回は、保育歴7年で「親子の愛情構築専門家」保育士ライターのゆうさんと子育ての心理学についてお話します。 トピックは、「赤ちゃんの言葉の語彙力」です。 赤ちゃんの語彙力の心理学シリーズの第二弾として「お母さんの語りかけの効 ...

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精神医学/Psychiatry 記事/Article

うつ病のリスク要因と予防法:日常生活と仕事上の注意点

・うつ病になる人の特徴とかあるのかな?

・うつ病にならないように気をつけるべきことはあるのか?

・うつ病予防には何が効果的なのか?

WHO(世界保健機関)によると、うつ病の患者さんは世界で2億6千万人以上。

うつ病は100人に3~5人くらいの人がなると言われています。

うつ病は「精神疾患の風邪」とも呼ばれていますが、風邪なんかよりもよっぽどしんどい病気です。

では、そのうつ病にはどのような人がなりやすいのか?

うつ病になる人にはどのような特徴があるのか?

これが分かり、うつ病になりやすい要因(リスクファクター)を避ける行動を取ることでうつ病になりにくくなります。

そして、近年では、うつ病になりにくくする予防法も研究されています。

そこで今回は、うつ病のリスクファクターと予防法についてご紹介します。

本記事では以下のことが学べます。

1. うつ病のリスクファクター

2. うつ病になりやすい人の年齢別の特徴

3. 仕事上のうつ病リスクファクター

4. うつ病の予防法について

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①年齢別のうつ病リスクファクターについて:日常生活と仕事上の注意点

日常生活を送る中で様々な出来事に遭遇します。

新しい友達ができたり、恋人に振られたり、仕事が成功したりなど。

そのような日常生活の中にも、うつ病のリスクファクターは潜んでいます。

Cakici et al. (2017)は、トルコの北Cyprusという町の人々18~88歳994名を調べてうつ病になりやすい人の特徴を調べました。

その結果が下の表です。

depression risk factor cyprus

この図は全てうつ病のリスクファクターであり、Odss Ratioはその特徴を持っているとどれくらいうつ病になりやすいかを示しています。

一番右側の欄は無視で結構です。

すると、以下のようにまとめられます。

  • Gender(性)が女性であるほどうつ病になるリスクが高いことがわかります。
  • Living status(家族状況)では、家族がいない人がうつ病になるリスクが高いです。
  • Education(教育歴)では、高校まで行ったかどうかでうつ病の罹患率が変化します。
  • Drugs(薬物)では、危険薬物の使用経験がある人がうつ病になりやすいです。
  • Marital Status(結婚状況)では、独身の方がうつ病に罹患しやすいです。
  • Employment Status(雇用状況)では、無職の人がうつ病になりやすいです。
  • Monthly Income(月収)では、賃金が低いほどうつ病になりやすいです。
  • Physical Disease(身体疾患)では、何らかの基礎疾患を持っている方がうつ病になりやすいです。

最後は無視しても大丈夫です。

このように、町全体の全年齢を対象にした研究によると上記の8つがうつ病のリスクファクターとして挙がりました。

ここで重要なのが、年齢についてです。

論文によると、うつ病に罹りやすいのは、18~29歳と50歳以上であり、30歳~49歳までの人よりも罹患率が統計的に有意に高いことが示されています。

そこで若者とお年寄りのうつ病のリスクファクターについて詳細に見ていきます。

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若者のうつ病リスクファクター

Korten et al. (2012)は、25歳以下の若者とそれ以上の人とを比べることで若者のうつ病リスクファクターについて調べました。

まとめますと

  • 女性であること。
  • 悲しみを抱きやすいこと
  • 食事の量や体重の増加
  • 知能の低さ
  • 死について考える
  • 幼少時代のトラウマ体験
  • 神経質傾向

以上の7つが若者のリスクファクターとして挙がりました。

女性であることは先ほどの全年齢のリスクファクターと同様ですが、ここではより詳細なリスクファクターが特定されています。

性格特徴で言えば、神経質傾向の方は要注意です。

この傾向の方は、何かがすぐ気になったり、不安を抱いたりしやすいです。

これらの項目に当てはまる若い方は、生活を見直してみるのもいいかもしれません。

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お年寄りのうつ病リスクファクター

Cole & Dendukuri (2003)は、過去のお年寄りのうつ病リスクファクターの研究を集めて、分析し直し、一定の結論を見つけるメタ分析という手法を使用してうつ病のリスクファクターの特定を行いました。

なお、メタ分析についての詳細な情報は「メタ分析とは何か?心理学論文から見るメタ分析の方法と限界」こちらの記事になります。

合わせて読んでいただけると幸いです。

お年寄りのうつ病リスクファクターについて調べた結果が以下の図です。

depression risk factor elderly

この図の、以下の特徴が統計的に有意にうつ病になりやすい特徴です。

  • Female(女性)は、うつ病になりやすいです。
  • Disability(障害)は、何らかの身体障害等を持つ方はうつ病になりやすいです。
  • Bereavement(死別)は、親戚や友達などとの死別体験をした方はうつ病になりやすいです。
  • Sleep Disturbance(睡眠妨害)は、睡眠の質が良くない人はうつ病になりやすいです。
  • Prior Depression(うつ病経験)は、一度うつ病に罹ったことのある方はうつ病になりやすいです。

お年寄りのうつ病リスクファクターは以上の5つです。

特に、女性は若者でも共通している特徴です。

また、死別はWHOのサイトでも挙げられている特徴ですので要注意です。

死別体験をした後の心のケアが必要になります。

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働いている人のうつ病リスクファクター(仕事上のリスクファクター)

お仕事をしていると必ずなんらかのトラブルが生じます。

対人関係であったり、残業による長時間労働であったり。

Bonde (2008)は、仕事上のリスクファクターについてのメタ分析を行い、仕事でのリスクファクターを特定しました。

それが以下の図です。

depression risk factor at work

この図は、過労がうつ病になりやすいこと(Ods Ratio)で表しています。

いずれの性においても1よりも右側にグラフが振れています。

これは、過労がどの研究においてもうつ病の罹患につながることを示しています。

つまり、過労がうつ病のリスクファクターであることを明確に示しているのです。

日本でも過労自殺が問題になっていますが、

過労→うつ病→自殺

という経路で死に至るとも十分に考えられます。

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②うつ病にならないために:うつ病の予防法

①ではうつ病になりやすい特徴について見てきました。

では、うつ病を予防するにはどのようにすればいいのでしょうか?

最もうつ病予防に効果的なのが、CBT(Cognitive Behavioral Therapy, 認知行動療法)を知ることです。

CBTとは何かというと、簡単に言えば、物事の認知や認識の仕方をコントロールする方法です。

例えば、悲しい出来事があったとして、その悲しみの出来事を「自分にとって成長の機会だ」と捉えることによって悲しみが薄れます。

他にも、列に割り込まれたら「この人は急いでいるのだな。かわいそうに」と認知の仕方を変えることでイライラを解消します。

このように、日常の出来事の解釈を変えることでうつ病の予防につながることを示したのが、Garber et al. (2009)です。

彼らは、うつ病になりやすい人を集めて、CB(CBTと同様)を受ける群と普通のカウンセリングのようなケアを受ける群(Usual Care)とを比べることでCBの予防効果を確かめました。

その結果が以下の図です。

depression risk factor CBT

縦軸がうつ病の累積罹患者割合を示しています。

横軸が、うつ病の主症状が始まった時期です。

点線が普通のケアを受けた群。

傍線がCB群です。

実験開始後、10週間を過ぎたあたりから、普通のケア(Usual Care)を受ける群の方がうつ病罹患割合が高まっていっています。

逆に、CBは罹患割合が抑えられています。

このことから、CBの知識を持つことは、うつ病のリスクを抑えることができます。

最近では、認知行動療法のことが知れるマンガやパソコンで認知行動療法の技法が学べるものもありますので、是非チェックしてみてください。

ちなみに、第三の認知行動療法と呼ばれているのが「マインドフルネス」です。

マインドフルネスもうつ病治療に効果的だと言われています。

マインドフルネスについてまとめた記事が「マインドフルネスとは?科学から見るその効果と副作用」になります。

合わせて読んでいただけると幸いです。

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最後に、うつ病と栄養学との関係についてご紹介します。

よくテレビなんかのメディアでは、うつ病予防につながる食品が紹介されたりします。

その中でも、うつ病予防に効果的なのが、魚の摂取です。

Hibbeln (1998)は、魚の輸入量から輸出量を引いて魚の摂取量とし、うつ病の罹患率との関係性を調べました。

それが下の図です。

depression fish consumption

縦がうつ病の罹患率。

横軸が魚の摂取量です。

この図から、魚を多くとる国ほどうつ病患者数が少ないことが分かります。

論文では、魚のDHC(ドコサヘキサエン酸)などがうつ病の予防に効果的だと述べられています。

最後に、でははどうかという疑問が出ます。

時々、芸能人の方がテレビで「肉を食べるのがいい」みたいなことを言っていますが本当でしょうか?

Zhang et al. (2017)は、肉の消費とうつ病の関係を調べた研究をメタ分析して肉がうつ病に効果的なのかを調べました。

すると、残念ながらうつ病に肉の摂取は効果的ではなく、むしろうつ病のリスクにさえなるという研究結果でした。

メディアに惑わされず、魚を食べましょう。

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③まとめ

以上より、うつ病のリスクファクターとうつ病の予防法について見てきました。

まとめると以下のようになります。

  • 女性は年齢層関係なくうつ病に罹りやすい。
  • 29歳までの若者と50歳以降のお年寄りがうつ病に罹りやすい。
  • 若者とお年寄りではうつ病のリスクファクターに違いがある。
  • うつ病の予防には、認知行動療法の手法を知っているとよい。
  • うつ病の予防には、魚を摂取する方がよい。肉は逆効果。

うつ病に罹っている私がうつ病のリスクファクターや予防法についてご紹介するのは少し違和感があります。

ただ、うつ病の苦しみを知る私だからこそ、皆さんにはうつ病にならないように情報発信したいと思いました。

今回ご紹介した記事は、うつ病のリスクファクターの一部です。

これからまだ発見されていないうつ病のリスクファクターやうつ病になりやすい方の特徴が出てくるかと思います。

うつ病にならず健康に生活できるように。

この記事ができるだけ多くの方のお役に立てばと幸いです。

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参考文献

Bonde (2008). Psychosocial factors at work and risk of depression: a systematic review of the epidemiological evidence. Occup Environ Med, 65, 438-445.

Cakici et al. (2017). Depression: point-prevalence and risk factors in a North Cyprus household adult cross-sectional study. BMC Psychiatry, 17: 387.

Cole & Dendukuri (2003). Risk Factors for Depression Among Elderly Community Subjects: A Systematic Review and Meta-Analysis. American Journal of Psychiatry, 160(6), 1147-1156.

Garber et al. (2009). Prevention of Depression in At-Risk Adolescents: A Randomized Controlled Trial. JAMA, 301(21), 2215-2224.

Hibbeln (1998). Fish consumption and major depression. The Lancet, 351, 1213.

Korten et al. (2012). Eary and Late Onset Depression in young and Middle Aged Adults: Differential Symptomatology Characteristics and Risk Factors? Journal of Affective disorders, 138, 259-267.

Zhang et al. (2017). Is meat consumption associated with depression? A meta-analysis of observational studies. BMC Psychiatry, 17: 409.

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