personality and happiness

心理学・脳科学/Psychology・Neuroscience 記事/Article

2023/11/14

どんな性格の人が幸せを感じやすいのか?性格と幸福度の心理学

・幸せになりたい。 ・どんな人が幸せになれるのか? ・人の性格と幸福は関係あるの? 人は誰でも幸せになりたいと思っています。 でも、社会は幸せを阻む要素でいっぱいです。 そんな社会に揉まれながらも、幸せそうな人はたくさんいます。 そんな人をうらやましく思うも、一体どんな人が幸せになるのかは気になるところです。 今回は、そんな人の特徴の一つである性格と幸福度の関係について、心理学の研究をご紹介します。 性格はすぐには変えられないかもしれませんが、幸せになりやすい性格傾向がわかると幸せに一歩近づけるかもしれま ...

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cultural differences in emotion face expression

心理学・脳科学/Psychology・Neuroscience 記事/Article

2023/10/15

なぜ外国人は感情表現が豊かなのか?西洋人と東洋人の感情の文化心理学

・外国人の感情表現が豊かなのはなぜ? ・外国人はリアクションが大げさなのはなぜ? ・そもそも日本人と外国人では感情の捉え方が違うのか? 外国の方と接していると彼らの表情や表現が豊かなことに驚かされます。 顔の表情が明確で、リアクションも大げさなので、外国人の感情は読み取りやすいです。 しかし、日本人はそれに比べて感情表現が苦手です。 相手が何を考えているのか、表情やリアクションだけでは読めないことが多いです。 では、そもそも外国人(特に西洋人)は、感情表現が心理学的にも豊かなのか? 今回は、西洋人と東洋人 ...

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poison parent and perfectionism

YouTube動画/Movies

2023/9/18

毒親の完璧主義は遺伝する⁉心理学が明かした衝撃の事実

・毒親で悩んでいます。 ・完璧主義に悩んでいます。 ・完璧主義はこんなに生きづらいから、子どもにはもっと広い心で生きてほしい。 本記事は、以前の記事で紹介した研究を動画にしてわかりやすく紹介しています。 毒親問題が日本では話題ですが、どのようなメカニズムで毒親になるのかはあまり紹介されていません。 動画では、完璧主義を子どもに求める毒親の心理学について実際の研究を解説しています。 毒親の影響は子どもの性格にまで影響します。 そんな毒親の連鎖を断ち切るためにもぜひご覧ください。 チャンネル登録といいね評価も ...

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政治/politics 本・解説/Book・Review

民主主義の原点を過去の政治家の思想から学ぶ

・民主主義とは何ですか?

・なぜみんな民主主義を強調しているの?

・今の日本って民主主義の国なの?

日本は民主主義国家です。

しかし、現実は民主主義とは程遠い状況ではないでしょうか

投票数の減少や政府の暴走、政治家の汚職などなど。

とても現在の日本の政治状況を指差して「これが民主主義だ」と言うことはできません。

では、どのような政治が民主主義的であるのか?

民主主義国家とはどうあるべきなのか?

この疑問に対して示唆的な見解を与えてくれるのが、ハミルトン、ジェイ、マディソンらによる『ザ・フェデラリスト』という本です。

この本は、民主主義の古典として名高く、18世紀後半に出てなおも読み継がれている名著です。

『ザ・フェデラリスト』は、新しく施行される「アメリカ合衆国憲法」を擁護する三人の政治家によって書かれた論文集。

その中で、民主主義の原点とも言える精神が垣間見えるのです。


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①民主主義は多数者によって派閥による独占を抑制する

民主主義的な手続きをとっていても、一部の派閥によって政権運営が独占されるという弊害が生じることがあります。

この弊害を抑制するための議論から、民主主義の重要な精神が見えます。

民主主義の下では、「派閥の暴威を打破し、これを抑制する性向をもつという利点」があるという。

具体的にはどういうことなのか?

まず派閥とは、

全体中の多数であれ少数であれ、一定数の市民が他の権利に反する、あるいは共同社会の永続的・全般的利益に反するような感情または利益といった、ある共通の動機により統合し行動する場合、その市民たちを指す

ものと定義されています。

そして本文では、この派閥が生じる主な原因として、「財産の種類が多様であり、それが不平等に配分されていること」にあるとしています。

もちろん、派閥の原因が上記のものだといくら民主主義の制度でも根絶するのは難しい

なので、本文でも、「派閥の原因そのものは除去しえない」と述べています。

しかし、「派閥の効果を抑制」することはできると述べています。

それが、民主主義の精神です。

つまり、多数のものが通常の多数決で派閥の邪悪な見解を敗北させる

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②民主主義は直接民主制で生じる悪政を抑制できる

次に、直接民主制と本書での民主主義の精神との違いも述べられています。

直接民主政国家と共和政国家(ここで言う民主主義国家)との間の二大相違点は、第一に、共和政国家においては一般市民によって選出された少数の市民の手に政治が委ねられることであり、第二に、共和国家がより多数の市民と、より広大な領域とを包含しうることである。

この第一の相違点について、

共和政においては一方では世論が、選ばれた一団の市民たちの手を経ることによって洗練され、かつその視野が広げられる

のです。

民主主義の下では、

各代表者は、・・・より多数の市民によって選出されることになるから、下らない候補者が選挙にはつきものの悪質な手段に訴えて当選するなどということは、より困難になるであろうし、また人びとの投票もより自由に行われるから、とくに注目すべき実績のある人物や、とくに知名度の高い定評のある人物に投票が集中することになる

のです。

それゆえ、悪政を抑えることができる

第二の相違点についてはそのままで、「共和政においては直接民主政におけるよりも、より多数の市民と、より広大な領域とをその範囲内に含みうる」ことです。

それにより、「直接民主政におけるよりも共和政のほうが党派的結合の危険性を少なくできる」のです。

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③平等に人民に依拠する民主主義

他にも次のような民主主義の精神について記述されています。

例えば、

本質的なことは、政府が社会の特権階級や一部少数のものに基礎をおくものではなく、社会の大多数の人々に基礎をおいている

また他にも、三権分立を説いたモンテスキューの正確で詳細な解釈が述べられていたりします。

極めつけは、

一般的に政府が人民と共通の利益を持つことが自由にとって不可欠であるように、現在考察中の政府部門(ここで言う民主主義的精神)が、人民に直接依拠し、人民と密接な共感をもつことがなによりも不可欠である

という文章である。

民主主義の原点が簡潔に述べられている文章ではないかと個人的には思います。

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④まとめ

『ザ・フェデラリスト』では、まとめとして以下のことが述べられています。

局地的な党派争いや暴動を抑えるし、それぞれの州で有力な人物が、指導者層や人気を博している人々から信用と影響力を奪い取り、人民の専制者となろうとする野心を抑えつけもする。連邦の解体が招きやすい外国による陰謀の機会を減らすことになる。連邦が解体した状態で起こる諸州間の戦争からかならず生じる軍隊の拡充を防ぐ。・・・貴族の称号を徹底的かつ全面的に排除する。財産と信用の基礎を損ない、すべての階層の市民の胸中に相互不信を植えつけ、倫理のほぼ全面的な低下を引きおこしてきた慣行を州政府が繰り返すのを予防する。

以上が、『ザ・フェデラリスト』で述べられている民主主義の原点の概要である。

中には当たり前のことも書いてありました。

しかし、その当たり前のことが実際に出来ていないからこそ問題であり、その当たり前のことを実現するための処方箋を具体的実践的に提起しています

民主主義を考えるにあたり、読む価値ありの一冊です。

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