心理学・脳科学/Psychology・Neuroscience 記事/Article

仕事のストレスでイライラするあなたへ:心理学的な簡単ストレス解消法

work stress

・仕事のストレスが溜まってイライラしている。

・仕事でのストレスの発散方法がわからない。

・簡単なストレス解消法はないの?

人間は、人生の半分以上を仕事に費やしています

それゆえ、日々のストレスの多くは仕事によるもの。

最近では、仕事によるストレスからうつ病や胃腸炎などの病気を患う方も多い。

休日に家で休んでいても、休まらずだるさが残るという悩みも多い。

そこで今回は、心理学の研究をもとに仕事のストレス解消について考えます。

休日に単に休むだけではダメで、ちゃんとした休み方があります。

また、普段日中でもできる仕事のストレス解消法もご紹介します。

なお、ストレスついては「ストレス解消の脳科学!正しいメカニズムを知ってストレス発散」の記事で、ストレスの脳内メカニズムやストレス解消法について書いてますので、あわせて読んでいただけると幸いです。

本記事では以下のことが学べます。

1. 仕事のストレスが溜まるとついやってしまう行動

2. お酒・食事・運動などの日常の行動がストレスとどう関連しているのか

3. 仕事のストレス解消のための正しい休み方

4. 仕事のストレス解消のためにすぐにでもできる簡単な方法

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①仕事のストレスが溜まるとやってしまいがちな行動

日頃、仕事でストレスがたまるとついついやってしまう行動が心理学的に明らかにされています。

Ng & Jeffery (2003)は、働いている人一万人以上を対象に仕事のストレスと日頃やってしまう行動についてアンケート調査を行いました。

stress and behavior

この図が結果になります。

ストレスと関連する行動が記載されています。

見方として、Pという欄が0.05以下だとストレスと関係があることを示しています。

Bの値がプラスだとストレスが溜まるとしがちな行動を表します。

マイナスだとストレスが溜まるほどあまりしなくなる行動を指します。

個人的に気になる項目をピックアップします。

まず一つ目は、仕事でストレスをためるとカロリーの高い食事をしてしまいがちになることです。

High fat dietの欄がそれで、例えば、ファーストフードをよく食べたり、チョコレートなどのお菓子をよく口にしたりすることが多くなるということです。

次に、仕事でストレスをためると運動をしなくなることです。

運動はストレス発散に効果的であることで有名ですが、ストレスをためるだけで運動をあまりしなくなるのです。

次は、仕事のストレスが大きくなるとタバコを吸うようになります

論文では、タバコの本数が増えたり、タバコを止める行動をやめたりするようになります。

最後に、意外に思ったのですが、仕事でストレスをためてもお酒には影響しないということです。

以前の記事「ストレス解消の脳科学!正しいメカニズムを知ってストレス発散」では、お酒はストレス解消には逆効果であることを説明しました。

それを知ってか知らずか、ストレスとお酒は統計的に有意な関係性は見られませんでした。

「やけ酒」という言葉がある通り、仕事のストレスをお酒で発散するという方も多いかなと思ったのですが、実際はあまりいないみたいですね。

しかし、仕事でストレスをためるとろくな行動に出ないことが分かります。

体に良くない太るような食事をしたり、喫煙をしたり、健康的な運動をしなくなったり。

このような行動をしていることに気づくだけでも、ストレス解消への第一歩と言えそうです。

では、具体的にどのようにすれば仕事のストレスを解消できるのでしょうか?

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②仕事のストレス解消には、休みが大事。特に休み方に注意!

仕事のストレス発散で、心理学的に重要だと言われているのが、休むことです。

でも、具体的にどう休むのがいいのでしょうか?

趣味に没頭したり、友達と遊んだり、一人カラオケしたり・・・

実は、休みで大事なのは、休暇中に仕事と関わらないことです。

まず休みの効果を見ていきましょう。

Etzion et al. (1998)を参考にしています。

work stress and vacation

この図は、仕事のストレスが、休む前と休んだ後とでどのように変わるかを示しています。

まさにビフォアー(Before)アフター(After)でストレス度が違います。

もちろん、休んだ後の方が仕事のストレスが解消されています

burnout and vacation

この図は、バーンアウト現象がどのくらい起こるかを示した図です。

バーンアウトとは、くたくた状態です。

厳密な定義では、「感情的に疲れてくたくた」「自分が自分でないような感覚」「自分で成し遂げたという感覚が減少している状態」の三つがある状況です。

まとめて、バーンアウトとは、精神的にくたくたな状態としています。

このバーンアウト現象も休んだ後に下がることが示されています。

burnout and work detachment

最後に、このバーンアウト状態が休暇中に仕事と離れられていたかどうかによって変化することが示されています。

左の図が、仕事から完全に離れて休暇を過ごしていた場合。

右が、仕事が頭にありながら仕事から離れられず休暇を過ごした場合です。

統計的に有意な差があるのが、休暇中に楽しんだりするポジティブな経験をしたときです

仕事から離れられているかどうかでバーンアウト状態が異なります。

仕事が頭にちらついている人は、楽しい経験をしても精神的にくたくたになるだけです。

感情の起伏はそれだけでもストレスや体力消耗になりますので、あまり良くありません。

仕事が頭にない状態を作ってようやく、休む意味が出ます

では、具体的にどうすればいいのか?

論文には書かれていませんが、例えば、休暇中はメールチェックをしないとか仕事先からの電話には出ないとかがまず挙げられます。

仕事と少しでもかかわりを減らすことが重要です。

せっかくの休暇も単に精神的疲労がたまるだけになってしまいます。

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③簡単な仕事のストレス解消法:自然に触れること

では、休むこと以外に簡単に仕事のストレスを解消する方法はないのか?

あります。

それが、自然に触れることです。

Tyrvainen et al. (2014)は、緑の多い公園や自然施設を見たり散歩したりすることで仕事のストレス解消につながることを示しました。

彼らは、実験参加者にビルが立ち並ぶオフィス街、公園、森林街の三つの場所を観察して、30分散歩させました。

その前後の、ストレス度合いをチェックし、森林浴の効果を検証したのです。

すると以下の図のようになりました。

以下の図のTI~T3は、

T1=歩く前

T2=観察する

T3=歩いた後

を表しています。

work stress and forest

work stress and forest

この二つは、リラックス度合いを表した図です。

いずれも、オフィス街(City)よりも、Park(公園)やForest(森林)の方が高くなっています。

work stress and emotion forest

work stress and emotion and forest

この二つは、感情の状態を表しています。

最初が、ポジティブな感情で、二つ目がネガティブな感情です。

図のように、ポジティブな感情はオフィス街よりも公園や森林の方が上がっています。

ネガティブな感情は少し複雑ですが、公園や森林を散歩した後は下がっています。

最後に緑の多いところを散歩することは、ストレスや感情だけではなく創造性にまで影響します。

forest and creativity

この図の、♦の点線をご覧ください。

City(オフィス街)よりも、Park(公園)やForest(森林街)の方が高くなっています。

主観的な創造性が上がったことが示されています

なので、仕事効率も上がるかもしれません。

毎日の通勤で、ちょっとでも緑のある公園を横切ったり、休憩時間に公園や緑の多い道を散歩してみたりするのがいいと思います。

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④まとめ

以上が仕事のストレス解消法に関してです。

まとめると以下のようになります。

  • 仕事でストレスがたまると高カロリーな食事をとり、喫煙するようになり、運動をしなくなる。
  • ストレスとお酒は関係なし
  • 仕事のストレス解消には休むことが先決だが、仕事を忘れて休むこと
  • 緑の多い自然に触れることが仕事のストレスを解消できる簡単な方法

ストレスは、ためるといいことはありません。

特に、仕事はストレス発生工場です。

ストレスと上手く付き合うためにも、上記のことを実践してみてはいかがでしょうか?

なお、ストレスに関するメカニズムやさらなる解消法に関しては以下の記事でもご紹介しています。

ストレス解消の脳科学!正しいメカニズムを知ってストレス発散

仕事のストレスに悩む方に少しでも貢献できれば幸いです。

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参考文献

Etzion et al. (1998). Relief From Job Stressors and Burnout: Reserve Service as a Respite. Journal of Applied Psychology, 83(4), 577-585.

Ng & Jeffery (2003). Relationships Between Perceived Stress and Health Behaviors in a Sample of Working Adults. Health Psychology, 22(6), 638-642.

Tyrvainen et al. (2014). The influence of urban green environment on stress relief measures: A field experiment. Journal of Environment Psychology, 38, 1-9.

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